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泡立てとエッグビーターのはなし

日本で菓子を焼くひとならば、電動のハンドミキサーを所有している人が多い、泡立て器ですね。

 

ケーキを焼くときや、生クリームをあわだてたりするときに、必ず泡立て器が必要になります。

 

学生時代から30年ちかく菓子を焼いてきて、NYにいる間はBakerとして活動したり、ショコラティエの経験もしました。

世界各国でありとあらゆる泡立て器に出会ってきたわたしですが、今現在この神器に落ち着いている3つのご紹介です。

 

わたしは筋力とか力がかなり弱いので、電動のハンドミキサーを固定して持っていると、だんだん腕が疲れてくるのです。

なんだかんだで電源コードが邪魔くさかったり、途中で鈍器をどこに置いていいか持て余したり、何より音がうるさかったりするため、原始的にホイップができる普通の泡立て器で、腕を動かすほうが結局楽だったりします。

一般的な泡立て器でも、多く空気を含ませるように針金の組み方が設計されているものは、手だけでも本当に驚くくらいに早く泡が立つようになっているのです。

ボールが中に入っているタイプとか、色々使ったけれど、この2つがあれば本当に全ていけるという2本がこちらです。

 

oxo オクソー 大・小

バルーンウィスク

 

 

OXO オクソの本社はニューヨークで、NYに住んでいたときもずっとお世話になっていました。いろんなメーカーの道具を使いましたが、ユニバーサルデザインが理念でもあるoxoは使い勝手だけでなく、手に持った感触やデザインが、優しいのです。洗いやすいとかの点でも目を見張るものがあって、使う度に感動します。

右利きだけに使いやすい道具、若い人たちだけに使いやすい道具、そうではない、どんな条件の人にとっても使いやすいように設計されていて、我が家の道具もoxo率がとても高いです。

 

この大きいのと小さいのの2本あることがとても重要で便利で、工程で最初に黄身を泡立てて、あとで白い方をやったりするときに、それぞれに使えるのでおすすめ。

 

 

今は私は白身と黄身を別々に泡だてて混ぜる(別立て)レシピでケーキを焼きますが、全部の卵でブワーと混ぜるパターンもやっていました。

全卵の泡だては、慣れないと「このくらいかな?もういいかな?メレンゲだとツノが立つくらいだけど、もういいかな?」

と繰り返し手を止めたくなります。

 

コツとしては、ふくらんできて、黄色い卵が全体的に白くなって、卵が垂れてきたときに
跡がつくくらいになって、

「きみ、膨らむ気、満々だね?」てくらいになったらOK
(ここが重要)

ツノができているかとか、何分混ぜたかとかは、本当に手腕と道具によってぜんぜんアテになりません。

のんびり混ぜていき、時間がかかりすぎたりして泡だて絶頂期を逃してしまうと、どれだけ混ぜても泡だたないという悲劇に。

生クリームや卵の泡だてに関してだけは、ほんとに旬というか瞬発力というか、一気にやることに集中すると良い。

oxoの泡立て器で全力で泡立てると生クリームなどは3分くらいで泡立ちます。本当に早いです。

 

ちなみに、ケーキなどで卵のメレンゲを作ったあとに、他材料と手早く混ぜていったりするときに、「さっくり混ぜる」という表現があるけど、

 

さっくり混ぜるって一体どう混ぜるんだよ!!!
どの菓子本にも書いてあるけどわかんねんだよ!!!!!

という不良のために一応説明しとくと、
こう、

 

膨らむ気満々な子の気分を削がないように。

 

って感じです。

 

「やーもう、萎えたわあ。膨らむのやめよかな。」

とならないように。

 

そこには愛を使うとよい。

 

ちょっとこう、反抗期の思春期の息子か娘を週末旅行に誘う気分で、
顔色うかがいつつ、機嫌を損なわないように下手に出つつ、
間違っても

 

「行きたくないなら別にいいよ!お母さんのこと嫌いなのね!!」

とか言っちゃダメ。

なおかつ、だらだら説得とかしてもさらに絶対ダメ。

「はい週末温泉行くからね〜!!!」とスピーディに流れに乗せて、荷物準備を促す気持ちで。

 

 

これでさっくり混ぜる
がどういうことかよくおわかりいただけたかと思います😂

 

メレンゲを混ぜるときには、必ず思春期の子供たちのやる気に乗せるきもちを思い出してみてください。

 

ちなみに普通の泡立て器と合わせて、メレンゲや卵を泡だてるときに使う道具のことを、

エッグビーターと呼びます。

卵用泡立て器です。

 

これもまあ本当に長いつきあいになる道具なのですが、基本的には電動のハンドミキサーの仕組みと似てて、ただ手動なのね。

こちらもoxoですが、くるくるハンドルを回す泡立て器は、

「チ、チミは一体ハイテクなのか、原始的なのかどっちなんだい?」と素朴に訊ねたくなるような出立ちで、可愛いです。

パーツがぱっと外れるので、洗いやすいはコンパクトだわ、くるくる回すとメレンゲも疲れないし、

一番素晴らしい部分は、あの電動のハンドミキサーのうるさい音から一切解放されるところです。

 

ヴィーーーーンという甲高い電動の音が大の苦手ですが、こちらは普通にシャカシャカ混ぜる音のみ。なんて優しいんだと思うし、たとえば小さい未就学児には電動のハンドミキサーで混ぜさせるのは危険だし難しいです。

でもこのくるくるまわる泡立て器は、小さいこどもがみんな大好き。

これまでちびっ子のお菓子教室を開催してきて、全員列をなしてやりたがります。

 

 

くるくる回るのを自分で回せるのも楽しいし、たまごや生クリームを自分の手で泡だてる感触を一緒に体験できるところも、素晴らしい。

 

泡だてやさっくり混ぜるみたいな、ちょっとなんだか難しくてハードルが高そうな工程だからこそ。

 

楽しくて、確実で、ユニバーサルで、みんなが必ず上手にできる。

そんな方法やコツや秀逸な道具たちが、いつもお菓子作りを楽にしてくれると思います。

 

 

いつも作っているスポンジのレシピはこちら

いちばんふつうのよいケーキ(18センチ)

 

 

 

 

 

 

 

 

Hello! It's Mai.

世界中に愛と癒しが行き渡り、みんなが支え合って生きてゆけますように💕
Mai

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