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スフォルナトゥットとわたし

10年使ったコンベクションオーブンが、先日壊れた。

コンベクションオーブンというのは、いわゆる日本の一家に一台ある、オーブントースターの豪華版である。温度調節が付いているので、菓子やパンが焼ける。

海外のキッチンには備え付けでついている、ガスオーブンは日本の家庭にはなく、電子レンジについたオーブン機能で菓子やパンを焼くのが一般的だと思うが、あれがどうも、焼いてくれてんのか焼いてくれてないのかそわそわしてしまうまいちん。

ガスレンジに火をつけて、シュボッとした音が鳴り、火がそこについて、

「いよいよ戦場にのろしがあがりました」と胸高鳴る高揚感と共に、料理が始まる鐘の音というものがある。

それが電子レンジには無いのである。
ぬるっとデジタルの時間設定と温度を数字で設定して、ブぉーンという地味な音を聞いていると、なんだかバーチャルの世界で恋愛ごっこしてるみたいな生ぬるい不安な気分になる。

僕の人生、このままでいいんだろうか…。ついにキスまで行ったけど、、、ドキドキみたいな(大袈裟)

 

そんなまいちんは、日本に帰国して日常的にBakingは必須だと考えたため、最初引っ越したアパートにガスオーブンを導入したのである。

それがまた、備え付けじゃないがゆえのゴツい存在感と、場に溶け込んでなさすぎてむしろ浮きまくっている、業務用のガスオーブン。

これでも一番小さいのを探したのだけど、そのうちなんだか、月給手取り18万の若い会社員がベンツに手を出したみたいな気分になってきて、背伸びはやめておこうと、片付けのタイミングでサクッと手放したのだった。

 

その後しばらく、オーブントースターで菓子は焼けないし、電子レンジは持っていない生活の後、

コンベクションオーブン

という耳慣れない存在があることを知った私は、これはもしや日本の台所に神降臨なのでは?という予感がした。

いくつかのメーカーから出ているが、デロンギの一番デザインが美しいものを購入した。

すると、まさに、火こそつかないものの、あのパンを焼く時に、ちゃんと部品が赤く光り、その熱をもって焦げ目をつけるという、原始的な安心感を持ったプロセスにより、菓子が焼けるという画期的な電化製品であることが、使えば使うほどその素晴らしいバランスに感動しつづけたのであった。

 

まずなにより、サイズ感が素晴らしい。

オーブントースターのコンパクトさもなければ、電子レンジの無駄なサイズ感も削ぎ落とされた洗練。まさにそれは軽自動車の心許なさや、無駄ばっかのデザインのダサい大きな車の、それぞれ良きところを結集したような、すばらしいいでたちなのであった。

デロンギの我が家で長く使ったスフォルナトゥットは、直径30センチのピザ台がついていて、大きなピザがざばっと焼けた。それなのに、このコンパクトさ。本当に信じられない。感動の連続である。

 

まず名前からすばらしかった名機であるが、スフォルナトゥットというのは、イタリア語で「なんでも出てくる」という意味なのである。

その名のとおり、まさに4次元ポケットかと思えるほどに幅広い用途に使える。普通のオーブントースターと同じように毎朝パンを焼くのに遜色が一切ない上に、ときどきオーブントースターだと中身あったまるまえに、焦げちゃうよね、みたいなことがあると思うけど、そこをきゅっと温度を下げてあげることで、黄金色のカリカリと、中身のジューシーさが同時に叶うというわけである。

 

(ここまで書いて本当デロンギに就職しようかと思えてきた)

 

そして、パンを焼くときなどに発酵するための、低いぬるい温度にも設定できるため、保温として食材を入れておくこともできる。

マフィンやクッキーなどを焼くと、もちろん電子レンジでも同じように膨らみ同じように温度を設定することができて、焼けることは焼けるのだけど、不思議とコンベクションオーブンで焼くほうがそれが、現実リアルになる。

 

この辺は、火をかけるエネルギーが、ガスか電気かマイクロ波かみたいなところがとても関係していると思うのだけど、ただ焼いた肉と、バーベキューの炭で焼いた肉が別の料理になるみたいな原理にて、

同じものを作っても、コンベクションオーブンに圧倒的な勝敗が上がるのであった。

さすがに、ガスオーブンの本気さには足元も及ばないが、グランドピアノからピアノにグレードが下がっても、その音は本物だ。

電子レンジは、電子ピアノで、その小回りの良さはあるにせよ、弦が音を鳴らすのか電子音が音を鳴らすのかは、そもそもなんていうか、別の次元なのだと思う。

 

そんなわけで、我が家のスフォルナトゥットは無事に役目を終えて、この度無事に天国へと旅立っていった。

タオ氏といくつか次なるモデルを物色して、「ま、これに勝る名機はないよね」ということに収まり、まったく同じものをAmazonで注文した次第だった。

 

 

 

長い間お世話になりました。

捨てる日には、安心して皆にサポートをもらい、無事にゴミ捨て場まで運べた喜び。

 

また、新しいスフォルナトゥットが届くのももうじき。

次もこの日本のコンパクトな台所にて、きっと大活躍してくれることでしょう。

 

日々刷新で、今日も元気に生きています。

Hello! It's Mai.

世界中に愛と癒しが行き渡り、みんなが支え合って生きてゆけますように💕
Mai

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