2020/1/7 再投稿(編集済)
パンを焼くというのは、菓子を焼くのよりもさらに、難易度というか
マインドフルネス度が高いアクティビティだと思う。
よし、パンを焼こう。と思うには、えーっと、強力粉とか揃える前に、
1、彼氏を作ること
2、ランニングすること
3、瞑想にこぎつけること
4、やっとこさパンでも焼くかって気持ちがむくむく湧いてくるのを待つ
ってくらい、腰が重いもんだ。
でもだからこそ、パンが焼ければ、瞑想ができる。瞑想ができれば、ランニングもしようという気になる。そんな頃には、彼氏ができているはず。
(ニネターブル論)
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【マイケル】
マイケルというのはNYに住んでたときのルームメイト。
マイケルのパンブリオッシュ参照
【Whole wheat ホールウィート】
ホールウィートというのは、白い小麦粉に対して、皮ごとすった、茶色い粉のことをいう。
日本で売っているホールウィートの粉は、本当の全挽きではなくて、白く精製された粉に、皮部分をあとから追加して混ぜるものもあるらしい。
あんま気にしなくていいけど、栄養価って意味では、普通の粉と変わんないってこともあるでよ。
ニュージーランドにいた頃は、ほんとにホールウィートの麦のまんまの状態のを、その場で挽いてた。最初みたとき「え!?!」って思ったけど。
自宅で挽くと、売ってる粉みたいには細かくならないんだよね。
ロハスというだかスローライフというだか、自給自足というだか、一体何時代なんだって話やわ。
まあ、普段なかなか麦をリアルに挽いて粉から作るってのは
普段体験しないだろうけど、まあ普通にホールウィートの粉を買ってこればよい。
【Sour dough サワードゥ】
サワードゥというのは、パンのなかでも酸っぱい味のするパンで、日本ではほぼ見かけたことがないけど、わたしはすごく好きだった。
バーモント(アメリカ東部のカナダに近い州)にいた頃、オリバー(昔の恋人マックスの実兄)がパン工場を始めると言って巨大な窯を買った頃、日々いろんなパンを焼いて食わせてくれた。
オリバーの作るパンは、多分だけど、わたしの作るパンに一番性質がよく似てる。
頑固というかは無骨で粗雑さがあって荒々しい。一見調和がないように見える硬さなんだけど、よくよく近くで見てると、優しさや繊細さや緻密なバランスに見ちていて、結局いろいろ食べるけど、オリバーのパンに戻りたくなる安心感。
みたいな味。
彼が日替わりでいろんなパンを試作で作ってる最中にずっと食べていたけど、その中でもわたしはサワードゥの日に「お」と思ってよく食べた。
スープやおかずに合うのだよね。
ファームはいつも、巨大な自然の実験室みたいな感じで、土やら酵母やら機械やらすべての環境がDIYで年々増築されていて、教養と知識と未知なるアドベンチャーが詰まったパラダイスだった。
下はマイケルのパン。パンとは実験に実験を重ねてできる、データのようなものだ。
最初は全然うまくいかなかった生地だが、さいごはゴージャスなパンができあがったと書いてある。
マイケルがパンの断面図の気泡を見せてくると、化学の実験に見えてくる。
こんなパンがいつか自分も焼けるようになったら、人間として一人前になってる気がする。
草取り名人と合わせてそれ目指そう。
※レシピでもなんでもなくてすんません。
30パーセントウィートと書いてるのは、通常ホールゥイートだけで焼くと
めちゃくちゃ原始時代のパンみたいになるので、一部は普通の白い粉で焼くから。
おいしいサワードゥのパン、食べたいなァ。