きょうは、3つのやきそば記念日だった。
保育園のころ、ママに黙って1人でタリーズコーヒーに行き、アイスを注文して食べて帰ってきたという逸話をもつタオさん。(あんときゃ激怒してばかたれ!と言った😂笑)
小学生になってからは、ママが、お金の支払いや買い物が苦手なのもあって、ときどき近所のローソンにおつかいにいくこともあった。
先週から、週末に1つ、なにか”チャレンジをする”ということを2人で約束して、日々の小さなこと
ちょっと怖くて、苦手でやりたくないことを練習するようになったタオさん。
気質として、わたしは知らない場所にどんどん飛び込んでいくタイプだったけど
タオさんは臆病だった。
今日の第一歩は、「おばあちゃんちにいくときに、セイユーで自分のごはんを買ってゆく」であった。
食事というのは、基本的にこどものうちは、自分で作ったり用意したりすることはほとんど無い。
だから、それがどうやって決められるのかとか、どうやって給食の献立は選ばれているのかとか、こどものうちは知る由もないだろう。
でも、いつもお母さんや家族が、一生懸命首を捻って、面倒なおもいをして、「今日よるごはん何しよう?」と考えることが、どんなに大変かも、用意するのにどれくらいの工程が発生するのかも、わからない。
わたしはそういうのを、いつもタオくんに体験させてきた。
相手の気持ちを知るには、理解するには、それを実際に体験するしか他にはないことがよくある。
ぱっと魔法みたいに朝ごはんが食卓に並ぶように見えて、それは、ママが、食材を選んで買ってくるところから始まってる。どのパンを買うか、どのジュースを買うか、どのヨーグルトを買うか。
そっから食べることは始まってるのだと。
出がけに、自転車を漕ぎ出すタオ君の背中めがけて
「いい!?無理なら買えなくても大丈夫だよ!失敗しても大丈夫!チャレンジだからね!」
と声をかけた。
できるかできないか、そういうことをがんばらせるときには、(できなくても大丈夫)は魔法のことばだ。
そして今朝、
「自分で食べたいものを選ぶ」は、8歳になったばかりのたおくんには、ちょうどいいチャレンジだったみたいで
お昼は何を食べたの?と訊くと、ちょっと誇らしげに「やきそば」だよと言った。ママが作る予定だったやきそばをヒントに、「やきそば」を選んだタオ君だった。
それで面白かったのが、
「たおくん、1このやきそばがなんか小さい気がして、3個も買ったんだよ」
と言ったこと。
今小学2年で、大体おとなの1、5人前を食べるようになったんだけど、給食や、家で出される1人前のやきそば。
お皿に盛られて、いつも見ている焼きそばは、プラスチックのパックに入ると、小さく見えたようだ。
わたしたちは、料理をするとき気づいていないかもしれないけれど、「選ぶ」という愛だけでなく、
「量」という愛をいつも計っている。
わたしは特に、自分や食べる人への「量」の計らいにはかなり気を遣っていて、なぜなら
「量」が多いか少ないかで、美味しく食べられる分量がかなり左右されるからだ。
普段いつも、ママやおじいちゃんに買い与えられて食べているやきそばと、自分がひとりでスーパーに行って
陳列棚から手にしたやきそばは、きっと手の上に乗った重さも違ったことだろうと思った。
「それで、3つも食べたの?」とわたしは笑いながら訊くと、
「ううん、おじいちゃんたちにあげたよ」と言った。
いっしょうけんめいやきそばを3つレジまで持っていく、汗だくのたおくんのことを想像したら、
胸がいっぱいになった。
きっとそのうち、わからなくて3つ買う「はじめてのおつかい」から
「いや俺3つじゃ足りんし。」とやきそばを3つ買う時期がやってくるのかもしれない。
今日は3つのやきそば記念日。
毎日が、スペシャルだね。