春の、冷たくて優しい雨が、地を濡らして
みたこともないくらいに小さく健気な花々が咲く。
ぱっと小さく一瞬咲いて、あとは誰にも気づかれないうちに散っていくみたいな
花としてフィーチャーされてない花たち
木々は、緑の葉で世界を彩るだけじゃなくて、ときどき実は、とてもささやかな花をつけていたんだと気付かされる。
こんな時期が、あったんだ。
こんなとても短い刹那の美しさが、あったんだ。
はじめてみた、パクチーの花。とても小さくて、先にのびて、しろく可憐な花が咲いてる。
虫除けにうえたゼラニウムも2年目。雨に濡れて花が咲いてる
何年もずっと、枯らすしか能がなかったタイムは、こんな淡いライラック色の花をつけてる。
ハーブって、ハーブしか知らないけど、花が咲くんだね。
庭の植木は、夏にばっさり切られて、みんなから疎ましがられるみたいな存在だったけど、春の雨に濡れて、3日家を開けて帰ったら、こんな白い小さな花をそこらじゅうにつけていた。
すこし前には、小さなグリーンのつぶつぶの実ができてることに気づいたんだけど、それはつぼみだったんだね。
ほんの1ミリとか2ミリしかない、ちいさなちいさなつぼみ。
かわいくて、いつまでも眺めていたくなった。
去年の秋デビューした小さなバラも、1年立たずにもういちど花を咲かせた。
家を出るときつぼみだったのが、帰ってきたらパッと咲いてた。
たった2、3日の時間の伸びしろは、わたしたちがおもっているよりも遥かにすごい。
春の、こんな季節の変わり目の雨。
やさしくて、いつも好きだな。