デーツというのはなつめやしの実で、もともとはエジプトとかイランとか中東の方からやってくる。とにかく甘くて、一体何用でどう食べればいいのかよくわからない。
甘いものが大好きなアメリカでは普通にスーパーで売っていて、そのままおやつとして、砂糖代わりに食べたりもするんだけど、よい使い方は、お菓子を焼くときに甘味料として使うこと。
日本では、料理やお菓子に甘味をつけるといえば、砂糖の文化だ。またはみりんかな?
世界では、料理に果物の甘味を上手につかう文化がたくさんあって、韓国料理だと梨とか柿をたくさん使うのを、口に入れながら横目で見るのが好きだった。
ニュージーランドに住んだときにお世話になったお菓子作りの得意なエマがいつも焼くマフィンやおやつには、アプリコットやデーツやバナナの甘味だけで、本当に十分美味しくできる魔法みたいなレシピがいっぱいあって、ちいさなこどもにも安心して食べさせられる中身というのは、万国共通のお母さんの愛が詰まっていて、いつも嬉しかった。
わたしがはじめてデーツをつかったお菓子を貪ったのは、前の結婚をしていたときだった。
最近も山下が青森に帰省するたびに、実家のお母さんが作った料理やらあれこれを持って帰ってきてくれるんだけど、まさに当時も同じで、マンハッタンに住んでいた結婚したての2人に、時々ニューヨークの対岸から送られてきたのが、デーツケーキだったのだ。
まさにそれは、母の愛がつまったお菓子だった。
デーツという存在をあまりよく知らない日本人の我々にとって、それは
なんで色が黒いの?チョコレートの味でもなければ、黒糖の風味でもないのに、ふつうのケーキの味なのに、ちょっと独特な風味。
食べたことないけど、ものすごく美味しいってわけでもないんだけど、なぜか懐かしいその謎の味。
まさに「外国味」とでもいうのだろうか。
ハチミツがたっぷり入って、底のほうにナッツがゴロゴロはいっていて、どしっと重たくしっとりしていた甘いケーキだった。
デーツは、ドライフルーツなので、すこし原型を残すとネッチョリ感も残る。
大味の、ボソッとしたカントリーケーキは、カラッとスカッとした乾燥した欧米の気候の上だとすごく美味しい。
日本ではすこし粗雑に感じる味だけど、時々懐かしくてそれが食べたくなり、日本に帰って数年後、自分でも焼くことにしたのだった。
ちょこっとアレンジして、甘さを控えて、ちょうどいい塩加減にした。
どしっと重たいケーキはたくさん食べられないので、適度なカステラ感も残して。
すごく美味しい!また食べたい!っていう感じのお菓子じゃなくて、じわあ〜っと、「ん〜、、、微妙、、、美味しいのか何なのか、、、、ていうか何味なんだろう、、、」
と思うんだけど、半年くらい経つと、あ、デーツのケーキ久々に食べたいな。
となぜか思うそんな外国の味。
サワークリームとはちみつ、ライムのマーマレードも似合う。
今でも、「デーツ?知らない。食べたことない」という人に会うと、
そっかあ〜。デーツ、食べたことないかあ〜。
「美味しいよ」とデーツのドライフルーツを直に食べさせる代わりに、なんとなく私はこのデーツのケーキを焼いて、差し出したくなる。
<外国味のやさしいケーキ レシピ 日本語>
- デーツ 100g
- 薄力粉 100g
- 強力粉 100g
- 卵 3個
- 重曹 小さじ1
- ベイキングパウダー 小さじ2
- 油 100g (バター) (今回は、油50g バター50g)
- 塩 小さじ1/8
- バニラオイル 小さじ1/2
- はちみつ 30g
- くるみ 80g (こどもがたべるときは一部ぬく)
<オリジナルレシピ>
- 100g Dates(水につけた状態250ml US 1cup)
- 200g FL
- 3 eggs
- 1 tsp BS
- 2 tsp BP
- 100g Oil (or Butter)
- Honey 30g
- 1/8 tsp Salt
- Vanilla 半分すじ 5、6センチくらい
- Walnuts 80g
100gのデーツを合計250ml (1cup US)になるように浸す。(一晩か数時間?)
たまご3つをミキサーに入れて、ジャーッとかくはん。
こなとあぶら、バニラやはちみつなどをいれてまぜる。
くるみをさいごにまぜて、天板(25センチx28センチ)に入れて
そのまま180度30分。
焼きたては、卵や塩加減が前に出ているのもあって、すこし時間を置いてから、次の翌朝に朝ごはんとして食べたりする。
ヨーグルトやさっぱりしたものと一緒に食べると美味しい。
おともだちのともちゃんが遊びにきてくれた朝に焼いた時のデーツのケーキ。