山下さんが実家から届いたメロンを分けてくれて、なんて綺麗な色だろうと思った。
両親にわけるために届けにいったのは、お母さんの誕生日の今日だった。
なかなか売ってないバタークリームのケーキを、作っているケーキ屋さんを探して片っ端から電話した過去。
今日は電話をする代わりに、自分で焼いて、不恰好なチョコレートのコーティングを慣れない手つきでやってみた。
こういうケーキは、また忘れた頃に作るから、上達しないのが特徴なんだけど😅
バタークリームというのは自分が食べないので初めて作ったけど、ものすごいバターバターしている。
スポンジの間にジャムを塗って、バタークリームで囲って、最後チョコレートをかけるという、昭和の味だ。
なんてくどく、美味しくなく、変な味だとおもう。お母さんはこれが好きだけど売ってないと昔からよく話していた。
母が喜んでくれるかとか、食べてくれるかは別として
長かった確執のある辛い時間のあとで、もう一度誕生日にケーキでも焼いて渡そうと思えたことが嬉しかった。
実家の玄関で上がるかを訊かれたけど、もうその場所は自分の生まれ育った安心できる場所というよりは、知らない家族が住む家のようだ。
デブの2匹の猫の毛のせいか、くしゃみが2回出た。
メロンを渡して父を呼び、
メロンをくれた山下さんに心から謝罪をしてほしいと話した。
ケーキって難しいなあ。