何度も
狡いと言われた。
この人生で、何度も。
どれだけ真っ直ぐに、生きようとつとめても
まっすぐに
どこまでも嘘偽りなく
生きようとすればするほど
人は
狡いとそう言った。
その度に
わたしは自分を疑い
疑い尽くし
呪って
粉みたいになって
とても、悲しかった。
その愛する人が
マイは、狡くて、いろんなことを作為的にやって
演じたり できないふりをしたり
誰かを利用しているんだと思ってた
俺も
その利用されてるうちのひとりだとそう思ってたけど
本当は
そうじゃなかったんだね
って
そう言ったとき
マイが、真摯なひとだと思ったよと
狡いのは、俺だったよと
そう言ったとき
わたしは
救われたんだよね。
何度だって
彼の手に救われて
いつかわたしがワンワン泣いて
永遠の愛は、本当にあるよねって
そう言ったときも
わたしのために
真っ白な嘘をついてくれて
ぎゅうっと手を握りつづけてくれた
わたしはだから
本当の愛のことを
最後まで
誰かを信じていいってことを
最後まで
誰かを愛し抜いていいってことを
恩返しみたいに彼に伝えたくて
今まできっとずっと、握りしめてた
どれだけ苦い涙を何度
流したか分からないくらいに
わたしは、その人を愛したから。
それはこれからもきっと、ずっと変わらないし
それで
十分だよ。