なるんじゃない?

岡田さんに、一年くらい前に、会いにいった。

「おまえは、なにがしたいんだ?」

と訊かれた。

ひとつも答えられずに涙ぐむわたしに、岡田さんは、

「あーもう、なんなんだ、お前は」とイラついて、わたしは崩れて泣いた。

 

 

 

一年たって、わたしは、なにものでもない自分ともういちど、手をつなぐことをしたんだ。

セラピストとして、しごとを何か手伝わせてほしいとか、恋人として、一緒にいたいとか、そういうことではなくて、

ただ、そばにいたいとおもうこと。

 

 

ただ、側にいたいだけは、理由になりますか?

わたしは岡田さんに、改めてそう訊いた。

 

 

セラピストでもなければ、じゅんせいのママでもなければ、岡田さんの後輩でもなければ、なにものでもない自分。

 

もくてきなしに、愛すること。

 

ずっと、わたしは、岡田さんのそばにいる理由を探していたんだ。

 

 

それは、いらなかった。

 

岡田さんからすこしして、「なるんじゃない?」

と返事があった。

 

わたしは、なにものでもよくなった。

 

 

7-8-2019