最近アニメのスラムダンクを見始めて、雨の中ドリブルをせっせとやっているタオさん。マイは高校生のときに漫画を読み耽った懐かしき名作スラムダンク。
もう、いつのことだったか思い出せないくらい前に、心底惚れ込んで、心底愛して、心底打ち砕かれた子がいた。はじめて見た瞬間に、双子の弟かと思うくらいに一瞬で惹かれて、2人でもみくちゃになって傷ついてバラバラになった、もう2度と始まることも終わることもないと思った恋だった。
ユウ君は、当時、ひとことでいうとこじれてて、わたしはその頃も必死で未熟なセラピストで、彼をひたすらに救おうとした。よくある話だ。
そしてわたしたちは盛大に失敗した。わたしは彼を守り抜くことができず、彼もまた私を信じることができず、2人ともボロボロになって、あとかたもなく終わったと思った。
ずっとつかず離れずの縁で、ときどき連絡があるときに、わたしのそばにはなぜか、いつも山下さんがいた。
縁もゆかりもない2人は、まるで口裏を合わせたかのように絶妙なタイミングで連絡してきたり、なぜかニコイチでわたしにかかってくる。
度々わたしは、山下さんに「ユウ君から電話があって混乱してる」と泣きつき、そして今回5年ぶりにユウ君が遠くから会いにきてくれて、もちろん山下さんのことを何もかも話して相談した。
そしていつかとっくの昔に終わったはずのストーリーが、また新しいチャプターに向かうのだった。
わたしはユウ君を、昔から愛してた。生まれる前から。
ユウ君もまた、わたしを生まれる前から知ってた。
なのに、こんなにまだ、学ぶことに溢れてるの?
愛と苦しさのなかを行ったり来たりしながら、まいにち色んなことを思う。
「ぼくに姉ちゃんがいたら、きっとこんな感じなのかな。」と言いながら、わたしも、ユウ君も、手探りでもがきながら、今この人生を一緒に歩いてる。
ときどきその手を取ってはまたすれ違い、この旅はいったいどこまで続くんだろう。